この絵本はまたたくまにイギリスの子どもにも大人にも愛され、
その後ポターは、動物を主人公にした楽しい物語に魅力的な挿絵をつけた絵本を、
二十四冊も出版して世界的な絵本作家となりました。
この物語の英語はビクトリア朝の古い英語で、
日本語にたとえれば明治時代の言葉づかいです。
しかしイギリス人はそれを現代の英語に直さずに、そのままで大切に伝承して子どもに語ります。
言葉づかいが古くても、読んでもらった時の読み手の気持ちが伝わって
くるときは、子どもも読み手と共に入って歓びを共にします。
絵本の言葉は選び抜かれた言葉です。
時代とともに必ずしも新しく語り変える必要はありません。
むしろそのままで読み伝えて、選び抜かれた言葉の美しさを口伝えにしてゆくのも、
貴重な絵本体験の一つです。